建築のご紹介
建築の特色
本博物館は山に寄り添うように建てられ、山に溶け込むように佇んでいます。遠くから眺めると、中台禅寺、中台世界博物館木彫分館と共に一直線上にあり、同源の法が脈々と受け継がれ、創設者の惟覚和尚が四衆の弟子を率いて菩薩の行履を一歩一歩歩んできたことを象徴しているかのようです。
建築群は西洋の建築手法で建てられた中国様式であり、中華建築の美しさを呈しています。外観は唐代の長安城を彷彿させ、仏教の「厳護法城」の意を備えた仏教と歴史文物を守る城です。寄棟造りの屋根と古代の城壁の建築設計は、伝統と現代、東洋と西洋、仏教と中華文化が融合した時空を象徴しています。
中台世界博物館は2012年8月に定礎を行い、2013年8月に着工。三年にわたる企画と建設を経て、2016年8月に落成しました。
本博物館の敷地面積は9ヘクタールを超え、建物の総床面積は約66,000平方メートル、うち展示エリアは約16,000平方メートルです。館内には2つの特別展室を含む計18の展示ホールがあります。
歴代の木彫仏像を専門に展示する木彫分館(旧中台山博物館)は本博物館より800メートル離れた場所にあり、中台禅寺の敷地内に位置しています。総床面積は約7,400平方メートル、展示エリアは3,700平方メートルで8つの展示ホールがあります。
展示ホールのご紹介
中台世界博物館は館蔵する仏教の彫像と碑像、及び西安碑林博物館から中台禅寺に寄贈された1273点の拓本の二大展示を行っており、これらは本博物館の恒久的な収蔵と展示の対象です。
中台世界博物館は完全な機能を備えた博物館です。
館内には16の常設展エリアと2つの特別展室を含む計18の展示ホールがあり、すべての展示空間は華厳世界の時間と空間をコンセプトとしています。展示文物は「文字・図像・経典」の三大ジャンルに基づき、拓本や仏教の彫像、歴代文物、儒典・石経、仏典などを選りすぐり、「文は以て道を載せ、像は以て心を印し、経は以て法を伝ずる」の三大理念を伝えます。
文は以て道を載す 中華伝統文化における道統、礼制、文学、芸術など各分野に関連した歴代石碑彫刻の拓本を中心に展示しています。一階の展示ホール「銘記写真」に展示されているのは、古人の生涯について記した歴代墓誌の拓本です。三階の「時代書魂―歴代書法拓本」では、歴代名碑の書法と書体の特色をご紹介しています。また、「心中丘壑―館蔵書画」では歴代文人の手跡と古の草庵の趣を伝えます。
像は以て心を印す 館蔵する仏教文物、彫像、碑像を中心に展示し、仏教文化の宗教精神と意義、及び造像芸術の様式をご紹介しています。展示室は一階の「礼敬諸仏―中央大仏」、「釈迦本懐―教理と図像」、「古道遺韻―印度仏教彫像」、「宝相荘厳―歴代石彫」、「千載豊碑―碑像と仏教拓本」及び二階の「古冀遺風-漢白玉仏教彫像」、「翔龍嘉蓮-青州式彫像」、三階の「金剛実相-金銅彫像」。
経は以て法を伝ず 二階の展示ホール「経以伝法」(経は以て法を伝ず)では主に歴代石経の拓本や本博物館所蔵の写経、孝経を展示し、経典の文化継承と刻経の意義について説明しています。碑林博物館より寄贈された三大石経もここに展示されています。写経類については本館収蔵の唐代と宋代の写本仏経、木版印経、チベット仏教印経、南伝貝葉経などを展示しています。 落成開館に合わせ、本博物館は「黄蘖家風-日本黄檗宗祖師書画特別展」を開催し、明末清初に日本で開宗した福州黄檗山の祖師の書画を通して、日本の禅宗文化に与えた影響についてご紹介しました。
木彫分館 中台禅寺敷地内の北東に位置し、旧中台山博物館の建築を改装した木彫展示館です。主に本博物館が収蔵する歴代木彫仏像を展示しており、中でも遼金時代の彫像が特に貴重であり一見の価値があります。